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先週、遅い夏休みをもらい、鹿児島~熊本~大分の旅行に。
目的は、ゴームリーと草千里と馬見原橋の三つ。羽田から鹿児島空港まで飛び、そこからひたすらレンタカーで北上。初日のメインは霧島アートの森にあるゴームリーの『インサイダー』。 屋外展示というと、その場所になんの脈拍もないような彫刻作品を思い浮かべるけれど、ここでは完全に作品によって森が空間化されていて、そもそもこの彫刻があって森ができたのか、はたまた森があってこの彫刻ができたのか、その主従関係がまったくないほどにすばらしい作品だった。ひさしぶりにアートで鳥肌。 その後、熊本に向けて再び北上し、八代へ。伊東さんの初めての公共建築である八代市立博物館をちら見。 はじめての公共ということを如実に語るこの処理。おそらくこのピン角が危険だという市民の声により球体を溶接。この処理がいたるところにあった。みんなこういう無茶をして、そしてその処理の大切さに気づき、大きくなる。次は新八代駅前の乾さんのモニュメント。 この難しいコンテクストに対してよくここまでもってきたという感じ。ただ、一番小さな開口の大きさが壁の厚みよりも小さかったのでもう少し大きくればよかったのでは、と思ったり。そしてさらに北上して阿蘇にある草千里へ。 この風景を雑誌で見たときに、ここで本を読みながらのんびりしたいな、と思いこの旅行を決めたので、レジャーシートをもってルンルン気分で行ったのだけれど、そこには一本の木もなく、というよりかなりの観光スポットでそんなピクニックな雰囲気はゼロ。でも久しぶりに動く雲の陰をみたり、火口からのガスにやられたりと、かなり大自然をエンジョイ。次は阿蘇から東に向かい藤森さんのラムネ温泉へ。 初の藤森建築だったのだけれど、幻想のようでもありでもハリボテ感もあり、おとぎの国の建物のようでもあり、ものすごく言葉にしにくい建築。ただ、今は思い出となっているラムネ温泉の記憶を「あれは幻だったのよ」と言われれば納得してしまうほど妙な体験だった。温泉もラムネ温泉というだけあって炭酸濃度が高く湯船に浸かっていると体中に泡がつくうえに、温度も32℃のぬるま湯なので、温泉としてもかなりおもしろい。そして最後は熊本と宮崎の県境にある馬見原橋。 初期の青木建築の代表作(だと僕は思っている)で、いやーすばらしい。勤めている事務所が作ったということは全く関係なく、とにかくいい。つくるではなく変えるとはこのことか。こんなことができる建築家はそうそういない。心地よい風と水の音の気持ちよさに1時間寝そべって本を読み、さらに1時間昼寝をしてしまった。 と、こんな4泊5日の旅行でした。
by toru_murayama66
| 2007-09-03 22:28
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